column
「輸出先としてシンガポールに関心があるが、実際はどうかな?」
「シンガポールの人はどういう食材を好むの?どういう食材が流行っているの?」
シンガポールへの食品輸出を検討しているものの、現地の食トレンドについて最新の情報が手に入らず、お困りではないでしょうか?
そこで本記事では、シンガポールの最新食トレンドをお伝えしていきます。 加えて、日本の食品をシンガポールで展開していく上でのポイントも併せてお伝えしていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
シンガポールの高島屋は、一年を通してたくさんの人が訪れていて、特に年末年始は人が殺到しています。
日本食コーナーも多いですし、日本食フェアも年に2,3回開催されています。
すでに人気が高い食材だけでなく、新しくて美味しいものを探す人々が集まっています。
高島屋にはたくさんのお店が集結しているため、シンガポールの食トレンドを効率的に探る場所として、訪れてみるのがおすすめです。
早速、シンガポールの高島屋で発見した、シンガポールで人気の食品13選をご紹介します。 食トレンドをご紹介しながら、日本食をシンガポールで売っていくためのポイントも併せて解説していきます。
SANDOと呼ばれる日本流サンドイッチがシンガポールで流行っています。特にカツサンドが人気です。 写真のように、断面を綺麗に切って中身を見せて提供するのが流行っています。 このように、食品展示で食品の美味しさをリアルに伝える工夫も重要です。 SANDOは、日本円で1000円〜3000円ほどの価格で売られています。
うなぎは、ベトナムでも人気ですが、シンガポールでも大人気のようです。こちらのお店では6000円前後の価格で提供されています。 すごく高く感じるお値段ですが、シンガポールで外食をすると、6000円は普通の世界です。
マグロも最近人気になってきました。シンガポールの人の多くがサーモンを食べるようになってきたため、それに伴ってマグロの人気も出てきています。 このように、現地の人々の味覚や嗜好の変化を敏感にキャッチすることが重要です。
シンガポールでは以前からラーメンが人気でしたが、ラーメン人気がひと段落してお蕎麦も人気が出てきています。
シンガポールに限らず、人は常に「新しいもの」を求める生き物です。
現時点で人気がある食品の中でも、「人気が落ち着いてきているもの」もありますし、現地で今は人気がない食品の中でも、「新しいもの」を求める人に注目されて人気になりうる可能性をたくさん秘めています。
食のトレンドは常に変化するものという前提で、リアルな現地情報を定期的に収集するように意識しましょう。
パンダンリーフと呼ばれる、草の液を絞ったリーフが使われたスイーツも現地で人気のようです。
ゆずは、東南アジア全体で人気です。
ゆずをシンガポールで流行らせようと、高知県が大々的なキャンペーンに取り組んでいた成果もあって、シンガポールでも人気を博しています。
食品を海外に輸出する上では、行政の施策も追い風になりますので、施策をチェックするようにしましょう。
もちはベトナムでも人気ですが、シンガポールでも人気のようです。
東アジア全体で、もちもちした食感の食べ物を好む人は多いです。
わらび餅も人気ですし、餅アイスクリームも人気です。
こちらのお店では、餅の中に様々な種類のクリームが入ったスイーツが人気です。このように、食品展示もわかりやすく工夫がされています。写真の展示は、見た目はすごく美しいですが、紙で制作されているのでとても安上がりです。
限られた予算でも、工夫次第で、ユーザーの心を掴む展示を作ることが可能なのです。
シンガポールでは、カフェ自体とても人気ですが、その中で日本の禅を感じさせるカフェも人気になっています。
こちらのカフェでは、日本の器に、抹茶や抹茶のケーキなどが提供されています。
食トレンドを把握する上では、現地の人がどのような場所でどのように時間を使っているか、行動様式を把握することも重要になってきます。
シンガポールでは、パン屋さんにもいろんな種類があり、主には、昔ながらのパン屋さん、日本系のパン屋さん、フレンチ系のパン屋さんの3つが人気です。
もちもちしたパンが人気だったり、あずきを食べる文化があるため、小豆パンも人気が出ています。
甘すぎるパンよりもプレーンな甘さのパンの方が人気のようです。
シンガポールではパイナップルケーキのような食感のケーキも人気です。
ドリアンはベトナムでも人気ですが、シンガポールでも人気のようです。
冷凍ドリアンが店頭で販売されていました。
ドーナツやクッキーなどの、粉物のスイーツは、ベトナム人は苦手だがシンガポールでは人気のようです。
普段もそうですが、旧正月の時もかなりクッキーを食べるようですし、贈り物でクッキー缶をプレゼントすることも多いようです。
食のトレンドを掴む上では、旧正月など、季節のイベントで現地の人がどのような行動をするのかを把握することも重要です。
シンガポールの人はココナッツが好きで、ココナッツミルクをベースにしたドリンクやスイーツも人気です。
中国で流行っているミルクティーやお茶も人気です。仕事の合間やご飯を食べた後に買って帰る人も多いようです。
ここまで、シンガポールの食トレンドをご紹介しました。
例えば、シンガポールの人は、同じ甘さの中でも、砂糖が効いた甘すぎるスイーツよりも、自然な甘さの食材を好む人が多いなどの特徴があります。
このような、現地の人の細やかな味覚の違いや好みに合う食材を提供していく上では、調味料レベルで様々な調整が必要になってくるのです。
そして、そうした様々な調整をするためには、現地の人の好みや思考の解像度を高める必要があります。
そのためには、現地にたくさん足を運んで、現地で人気のある食材をたくさん食べながら、自分の味覚で精緻な味の違いを確かめることが重要なのです。
今回の記事では、食材を海外に展開していく上でのポイントを織り交ぜながら、シンガポールのリアルな食トレンドをスイーツを中心にお伝えしました。
しかし、百聞は一見にしかずです。
ぜひ、実際に現地に足を運んで、自分自身の五感で現地のトレンドを把握しましょう。
この記事を書いた人
荒島 由也スター・コンサルティング・ジャパン代表、STAR KITCHEN創業者。ベトナムで料理教室、洋菓子製造・販売事業も展開。ホーチミン高島屋に店舗を持つ他、 スターバックス、セブンイレブンなどを取引先に持つ。