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近年、様々な分野でAI(人工知能)が積極的に取り入れられています。
特に、AIを活用したサービスの中でも注目を集めているのが「画像処理技術」です。
食品工場における生産性向上や省人化を目指す上で、画像処理技術を活用したロボットの導入は効果的です。本記事では、生産ラインの自動化に欠かせない「画像処理技術」について解説します。
・食品工場における生産ラインでのピッキング作業は、最先端の画像処理技術で実現可能!
・生産ラインでのピッキング作業の自動化は、「Closer Robotics」にご相談ください!
画像処理とは、「画像に対して何らかの処理を行う技術」です。
具体的には、画像の読み込み、情報の抽出、比較、分類、解析、加工、変換などが含まれます。
画像処理は、従来から使われている「ルールベース」と近年研究されている「機械学習(ディープラーニングを含む)」との2つの手法に分けることができます。
食品工場では、「有無・品種判別検査、外観検査、寸法検査、位置決め、認識検査、3次元画像処理など」で活用されています。
ディープラーニングの理解を深めるために、まずはAI・機械学習・ディープラーニングの関係を説明します。
AI(人工知能)は、「機械が人間のような知能を持つことを目指す技術分野」です。
機械学習とディープラーニングはAIの一部として位置付けられます。
機械学習は、データを分析する方法のひとつで、「データからコンピュータが自律的に学習し、データの背景にあるパターン/ルールを発見して、予測・判断する技術」です。データのどの部分に着眼してパターンを見つけ出せば良いかの指標となる「特徴量」を人間が指定する必要があります。
※特徴量とは、データの分類に必要な情報であり、データの中で重要な特徴を示す数値のことです。
例えば人間の場合、身長や体重、性別、年齢などが該当します。
ディープラーニング(深層学習)は、機械学習のひとつで、多数の層から成る「ニューラルネットワーク」と呼ばれる人間の脳のつくりを模倣したモデルで構成されています。「大量のデータからコンピュータが自律的に学習し、データの背景にあるルール/パターンを発見するための特微量を自ら抽出し、予測・判断する技術」です。機械学習において必要とされる「特徴量」を人間が指定する必要がなく、コンピュータが自ら学習することが大きな特徴です。
ディープラーニングが得意とする分野には、画像認識、音声認識、自然言語処理、レコメンデーション(興味関心の予測・提案)があります。特に、画像認識を行う画像処理技術は、食品工場の自動化において重要な要素となります。
画像処理で、従来から使われている「ルールベース」と近年研究されている「機械学習(ディープラーニングを含む)」の2つの手法の違いと特徴について説明します。
ルールベースは、人間が指定したルールに基づいて処理を行い、結果を出力するシステムです。
「ルールベース型、手続き型、従来型」とも呼ばれています。
ルールベースによる画像処理のメリットは、人間がルールを指定するため、計測や数値化、検査分類が可能であり、数値で管理ができることです。一方、人間が指定したルール外の不規則性や不定形物に対応できないことがデメリットです。
ディープラーニングによる画像処理のメリットは、コンピュータが特微量を抽出するため、不規則性や不定形物の認識も可能で、柔軟性が高いことです。一方、判断ロジックがブラックボックス化しているため、数値化に対応できないことがデメリットです。
従来の画像処理技術(ルールベース)は、主に定形物の認識に特化しており、自動車や電機電子産業などで広く活用されてきましたが、不定形物の認識が難しいため、食品業界ではあまり導入が進んでいませんでした。また、食品工場における自動化の導入を考える際には、自動化可能な商品が限られていることや、効果的な商品認識のための整列ラインの増設が必要であり、また工場内のスペースが制約となることが課題でした。
しかしながら、最先端の画像処理技術(ディープラーニング)の進歩により、不定形物、光沢、反射、透明などの特性を持つ商品の認識が可能となりました。これにより、食品工場においても自動化可能な商品の範囲が拡大し、整列ラインを増設する必要がなく、バラ積み状態の商品を容器に詰めるピッキング作業などの自動化に対応できるようになりました。
形が若干異なる食品や小袋などを扱う食品工場の自動化には、不定形物の認識が不可欠です。ディープラーニングによる画像処理技術を活用したロボットを導入することで、効果的な生産ラインの自動化を実現することができ、生産性の向上や省人化につながります。
食品工場には、ディープラーニングによる画像処理技術を活用したロボットの自動化に最適です。
食品工場の自動化を検討される際は、ぜひ参考にしてみてください。
「つかんで置く作業を自動化したい」「バラ積み状態の小袋を容器に入れる作業を自動化したい」方は、ディープラーニングによる画像処理技術を活用したロボットを開発・提供している「Closer Robotics」にご相談ください!
※包装箱詰め、バラ積み、ピッキング、小袋移載の自動化ロボットです
・透明/反射物/不定形/多品種柄などのバラ積みピッキングが可能
・コンベアトラッキングが可能
・専門の知識や事前学習がいらず、タッチパネルでだれでも簡単に操作できる
・簡単に商品や作業内容が変更できる
・独立型システムのため、センサ設置などのライン工事が不要
・アンカー打ち不要のため、時間帯などで設置ラインを変更可能
製品紹介動画はこちら「https://youtu.be/ZE8QDQiBzzk?si=NDqKMCnLLq0QFVTG」
この記事を書いた人
樋口 翔太「ロボットを当たり前な選択肢へ」というビジョンを目指す筑波大学発AIロボティクスベンチャーです。食品産業を対象に労働力を補完するロボットを研究開発・提供しています。